「アメリカのインフルは新型コロナだった説」は本当か?
忽那賢志 | 感染症専門医 2/22(土) 15:57
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200222... 書いているのはフリーランスの麻酔科医の方のようです。
医師が書いているといかにも正しいように思いがちですが、医師が書いた記事だからといって必ずし
も正しい内容とは限りません。
(中略)
「インフルエンザでの死者数が1万人を超えている」と聞くと、今シーズンは特に多くの方がインフル
エンザで亡くなっているように聞こえますが、実際には過去と比較して増えているわけで
はありません。
アメリカでインフルエンザの死者数が10000人を超えていないシーズンはありません。
ですので、タイトルの『死者1万人超「米国インフル猛威」』自体がややミスリーディングと言えます。
(中略)
アメリカでも全例ではないにせよ一定数で検査診断が行われており、これも例年のペースと変わりま
せん。
この一定数の検査診断はインフルエンザ感染者全体を代表するものであり、もしインフルエンザと診
断されている患者の中に別の疾患が紛れ込んでいればこの検査陽性率や患者数に変化が現れるはずです。
つまり、今シーズンのこれまでの推移からは特にインフルエンザ以外に未知の感染症が増えている気配
は感じ取れません。
というか、いくら新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの初期症状が似ているからといって、経
過や画像所見が異なりますから、インフルエンザではない謎の呼吸器感染症が増えていたらさすがにア
メリカの医療者も気づきますよ。
中国は41例で気づいたんですから。
例えば1例、2例くらいがインフルエンザに紛れて臨床診断されている可能性は否定しませんが、現時点
ですでにアメリカ国内で新型コロナウイルス感染症が蔓延している可能性はないでしょう。
日本にも同様の仕組みがありますが、アメリカでも原因不明の肺炎が集団発生すればすぐに原因調査さ
れる仕組みがあります。
返信する