国内外でウイルスを広げている「米軍」の怠慢〜沖縄だけじゃなく、世界で問題になっている 2020/07/28 5:35
アメリカは新型コロナウイルスの制御に苦戦を強いられているが、アメリカ軍が国内外で感染源になっている可能性のあることが軍関係者や各地の公衆衛生当局者の取材で明らかに
なった。軍人の感染者は2万人を超し、軍内部の感染率は過去6週間で3倍に増加している(7月21日時点)。
感染者数が最も増加しているのは、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、ジョージア、テキサス州内の基地。いずれも感染者数の急増が確認されている州だ。沖縄のアメリカ軍基地
では海兵隊が100人近い感染者を出し、現地当局者の怒りを買った。イラク、アフガニスタン、シリアの交戦区域でも未報告の感染例がすでに多数存在し、アメリカ軍は部隊内の感染爆
発と戦っている。
アメリカ国内では、ジョージア州チャタフーチー郡の当局者が同州にある大規模訓練基地、フォート・ベニングが感染源であることを突き止めた。同郡は人口密度が低いにもかかわ
らず感染率が高くなっている。カリフォルニア州とノースカロライナ州の当局者も、軍施設と地元コミュニティの感染拡大に関連性があることを確認している。
いろいろな意味で、アメリカ軍内部の感染急増は、ロックダウン(都市封鎖)に疲れ、日常を取り戻そうとしているアメリカ全体の状況を反映している。国防総省によると、感染件数
は7月20日時点で2万1909件と、6月10日時点の7408件から大幅に増えている。3月以降、空母「セオドア・ルーズベルト」の水兵を含む3人の軍人が死亡している。入院した軍人は440人
を超す。アメリカ軍の訓練基地に、ソーシャルディスタンスの空間はほとんど存在しない。兵舎はぎっしり詰め込まれ、訓練はつねに過酷だ。開店中のバーやその他の社交場が隊員を招
き寄せる。兵士らは、このような環境で海外派遣の準備を進めている。「密な環境で若者と年配の世代が共に時間を過ごすアメリカ軍の基地では感染症が広がりやすい。集団感染が燎原
の火のように燃え広がるのに完璧な条件がそろっている」。こう指摘するのは、保健政策を研究するダートマス大学タック経営学大学院のリンジー・ライニンガー教授だ。「残念ながら、
密な環境、年齢構成からして基地の集団感染リスクは高い。そして、基地の従業員の多くが地元住民であるため、基地の集団感染はいとも簡単に地域の集団感染に発展しうる」
先日行われた電話記者会見で陸軍のライアン・マッカーシー長官は、大規模な歩兵訓練校を抱えるフォート・ベニングとミズーリ州のフォート・レナード・ウッドの感染急増に言及し、
基礎訓練施設の再開を急ぎ過ぎたか、適切な感染防止策をとらなかったツケが軍に回ってきている可能性を認めた。
https://toyokeizai.net/articles/-/36544...
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