ボルヴィック水源、くみ過ぎで枯渇の危機か 仏
5月26日:afpbb.com
フランス中部ボルヴィック(Volvic)を囲む緑豊かな火山性丘陵は長らく、世界的に
有名なミネラルウオーターの水源地となってきた。しかし、地元住民や地質学者は、
過剰な採水により、地域一帯が危険にさらされていると警鐘を鳴らしている。
「かつては水が膝の高さまであり、水車2基を回していた」。ピエール・グロドクール
さんはこう話す。水車はなくなり、最近では川が干上がっていることも多いという。
グロドクールさんの村のすぐ近くには、飲料大手ダノンが所有するミネラルウオーター
「ボルヴィック」の巨大なボトリング工場がある。
仏政府は2014年以降、ダノンに年間280万立方メートル、1リットルボトルで換算
すると28億本分の採水を許可している。これは、毎秒89リットル近くの水をくみ出
していることになる。
工場近くの養魚場にはボルヴィックの源泉が湧き出ているが、いまでは数か月間、
全く水が出ないこともある。地質学者のロベール・デュラン氏はボルヴィックの源泉の
平均流量は、1927年の毎秒470リットルから毎秒50リットルまで落ち込んだと語った。
ダノンのボトリング工場長は、批判に対し、ダノンは水源の保護に多額の投資をして
いると反論した。一方、専門家らは、ボルヴィックの工場は地下100メートルから
水をくみ上げていると指摘。ここ数年の降雨量は安定しており、水源の枯渇は天候の
せいではないとしている。地元地質学者は「バスタブの底から水をくみ上げて空にして
いるようなものだ」と批判した。
https://www.afpbb.com/articles/-/334805...
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