ロシアに謎の「ヤマグチ」社 マッサージチェアで急成長


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001 2023/02/19(日) 21:44:16 ID:J5ejGtuvjw
 ロシアのウクライナ侵攻で、西側諸国の企業が事業停止・撤退を余儀なくされる中、急成長する謎の健康機器メーカー
がある。「ヤマグチ・エレクトロニクス・ソリューションズ」。同社が「日本の業界トップ」とうたうマッサージチェア
は、大型商業施設や空港にデモ機が置かれる。かつてモスクワ便の機内誌にも広告が出されていて、駐在員や出張者にも
知られている。

社印は中国簡体字
 同社は、日本に存在しない。展開エリアは旧ソ連圏に限られるが、一般市民をはじめ、日本通のロシア人までもが「日
本企業」と固く信じて疑わないほど、立派なマーケティングを繰り広げている。かつて中国市場でよく見られ、ロシアに
もたびたび登場する「偽日本企業」(日本人駐在員)であることは公然の秘密だが、需要を一気に吸い上げて成功を収め
る事例は珍しい。

 公式サイトによると、ヤマグチ社は1976年創業。94年から「コバヤシ」という姓の人物が社長で、公開されている
証書には「山口電子科技(電は中国の簡体字)」と社印がある。
 「中国工場が四つあり、うち一つでは日本の電機大手
から製造を請け負っている」と信頼性を強調。本社従業員は360人で、住所は「山口県長門市三隅上」とされているが、
この住所の近辺に海外展開するメーカーなどはなさそうだ。

ロシア語で「私は強い」
 日本の商社関係者によると、ヤマグチ社のマッサージチェアは10年ほど前からロシア市場で目に付くようになり、最近
では芸能人を広告に起用。ロシア語の「ヤー・マグーチー(私は強い)」を連想させて語呂がよく、健康機器メーカーと
して不動の地位を確立した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f4d510ffe82b1dd8e065...

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002 2023/02/19(日) 21:49:59 ID:J5ejGtuvjw
 ただ、ソ連時代ならともかく、日ロ間を行き来できる現在、怪しさに気づくロシア人はいないのだろうか。商社関係者は「お客様センターなどに問い合わせがあった場合、日本企業だとしてあらゆる主張ができるよう、マニュアルも用意しているのだろう」と推測する。
 ヤマグチ社はマッサージチェアに限らず、フィットネス器具も手掛け、販売拠点は「最西端カリーニングラードから極東ウラジオストクまで60都市に220以上」(公式サイト)もある。
 具体的に日本の商標侵害はなさそうだが、問題はある。ファーストクラスの座席のような洗練された形状の最上位モデルで、価格は270万ルーブル(約500万円)。廉価版でも日本円で50万~100万円はする。これを富裕層が「日本ブランド」として喜んで買っていくのだから、ロシア人をだましていることになる。

コロナ禍で「化け物」に
 ヤマグチ社については数年前、ウクライナの小売店がサイト上で「ロシアで生まれたブランド」だとして注意喚起した。ROTAI(上海栄泰健康科技)製品と写真を比較して同一であると主張し、値段は約3倍につり上げられていると告発している。

 ウクライナ侵攻が始まるまで、日本企業は信頼と技術力を武器に、自動車から医療機器まで主に高価格帯の製品をロシア市場で展開してきた。一方、健康機器の潜在的なニーズに気づく日本人は少なかったようだ。ロシアは一年間の半分が寒冷期であり、インドア生活の需要は大きい。
 商社関係者は「日本企業のマッサージチェアを小規模に売る動きもあったが、新型コロナウイルス流行でストップしてしまった」と話す。
 コロナ禍でロシア政府は厳しい外出制限を敷き、スポーツクラブも休業・閉鎖を余儀なくされた。その穴埋めとして、富裕層が自転車型トレーニングマシンなどのフィットネス器具を買い求めた側面がありそうだ。「巣ごもり需要」がヤマグチ社を「化け物」に変えたとも言える。

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