米国に、陰謀論や人種差別、さらには銃乱射事件などを引き起こす“問題のWebサイト”がある。旧「2ちゃんねる」開設者
のひろゆきが管理人を務める、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」だ。
米紙「ニューヨーク・タイムズ」が「ひろゆきは、日本の若者の不満の声を代弁し、スターになっている」と報道。海外か
ら、彼はどう見えているのだろうか。全訳を掲載する。
ひろゆきが語ろうとしないこと
日本社会の欠点に意見を述べる彼のソーシャルメディアは、何百万人というフォロワーを集める。日本最大級のファッショ
ンショーのランウェイに現れたかと思えば、政府作成の動画に出演して人々に個々の財政への注意を促す。ある全国調査で
は、高校生が選ぶ総理大臣候補の第一位もこの人物である。
日本の厳格な規則に抑圧を感じる若い人々の心を掴んだ西村博之は、日本国内では驚くほどの有名人だ。有名実業家、作家、
コメンテーターとしていたるところに顔を出し、人々は彼をただ「ひろゆき」と呼ぶ。アメリカで言えばだいたい「アダム」
程度にありふれた名前だ。
20冊を超える著書と何百もの雑誌コラムを通じ、西村は自身のファンに「もっと自分勝手になっていい。他人がどう思う
か気にするのをやめろ。働く量を減らし、法律の文言には従いつつその本質は無視して、システムの裏をかけ」と促してき
た。
当初は日本で最も人気のウェブサイトを2つ立ち上げたことで有名になった彼だが、その後はどこまでも遠慮なく堂々と
「逆張り」的視点から意見を表明することで、社会のメインストリームにでかでかと中指を突き立てる国民的アンチヒーロ
ーとなった。
しかし、西村があまり語ろうとしないことがある。匿名オンライン掲示板4chanのオーナーであることについてだ。
彼の経営指揮の下、4chanはインターネットにおいて最も有害な場所となった。しかしこのサイトが銃乱射事件や陰謀論と
結びついてなお、ほとんどのアメリカ人は西村の名を知らない。また、そのサイト名は西村の肩書きの一部としてほぼ常に
言及されるにもかかわらず、ほとんどの日本人は4chanについて多くを知らないのだ。
西村が(英語・日本語を問わず)4chanについてめったに語らないことが、その理由の一つである。
だが、他のほとんどあらゆる分野で発揮されてきた彼の饒舌から、このサイトを経営する彼のモチベーションと哲学を伺
うことはできる。インターネット上で最も有害な思想がやりとりされ、中でも人気の掲示板はミソジニー、白人至上主義、
虚無的なヘイトに満ち溢れているこのサイトを、だ。
続く→
https://courrier.jp/cj/311293/?utm_source=yahoonew...
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