■弁護側の主張
モナハン被告側のカート・マウザート弁護士は、米CNNに対し、被告は自分が撃った銃弾が誰かに当たったとは知らず、警察がなぜ自分の敷地に来たのか全く分からなかったと述べた。
車両が敷地内に入ってきたことで、「高齢の妻を持つ高齢の紳士に、ある程度の警戒心を抱かせたことは間違いない」と、同弁護士は米ニューヨーク・タイムズに語った。そして、被告は「この悲劇を心から後悔している」と付け加えた。
同弁護士はさらに、「悲劇が起き、犠牲者が出ると、誰もが悪役を求めるものだ」とし、「しかし時には、悲劇と犠牲者だけで、悪役が存在しないこともある。そして今回は、そういう状況の一つだ」と述べた。
■「迷いやすい」裏道
ヘブロン町行政幹部のブライアン・キャンベルさんは、ノースイースト・パブリック・ラジオに対し、「このあたりの裏道ではすごく迷いやすい」と語った。
「道に迷ったり、ガス欠になったりしている人に、何度早朝に起こされたか分からない。車をけん引することもあるが、自分の安全すら考えもしない」
地元紙タイムズ・ユニオンは、モナハン被告が12ゲージ散弾銃から発射したのは大型の鉛のスラッグ弾だったと報じている。通常は狩りで大型動物を狙う際に使用され、特別な所有許可が必要だとみられるという。
捜査当局は事件に使われた武器について明らかにしていない。
■遺族の反応
ギリスさんの遺族は、BBCがアメリカで提携するCBSニュースに宛てた声明の中で、ギリスさんは「親切で美しい魂の持ち主で、彼女と知り合う幸運に恵まれた人々にとって一筋の光明だった」と述べた。
「私たち家族がこれまで通りに戻ることはありませんが、ケイリンのポジティブさや楽観性、そして喜びによって導かれ、彼女を失ったという喪失とともに生きていくことを学ぶでしょう」
ギリスさんの遺族の葬儀費用を支援するために立ち上げられた、クラウドファンディング募金サイト「GoFundMe」のアカウントには、18日時点で10万ドル(約1300万円)近くが集まっている。
アメリカでは13日にも、訪問する家を間違えて呼び鈴を鳴らした黒人少年が、住人の白人男性に銃撃される事件があった。
その事件とは異なり、今回の事件の被害者であるギリスさんと、モナハン被告はいずれも白人。
返信する