英国、デンマークなどの洋上風力発電所の周辺に、ロシアのスパイ船とみられる船が接近し、不審な行動をとるケースが
相次いでいる。北欧4カ国の公共放送が共同調査し、報じた。ロシアが西側諸国のエネルギー供給網の破壊を準備している
可能性があるという。
共同調査したのは、デンマーク「DR」、ノルウェー「NRK」、スウェーデン「SVT」、フィンランド「Yle」の4公共放
送。報道によると、トロール船や調査船を装った複数のロシアの船が北海上を航行し、位置を知らせる船舶自動識別装置
(AIS)の発信装置の電源を切ったまま、沿岸国の洋上風力発電所に接近するなどしている。船には海中探査装置が積み込
まれ、海底の送電線やパイプライン、通信ケーブルなどの位置情報の確認などに使われている可能性があるという。
公式には海洋調査船とされる1隻は1カ月間発信機を切り、英国やオランダの7カ所の洋上風力発電所に近づいていた。
傍受された通信内容から、航行中、継続的にロシアの海軍基地に位置情報を発信していたことが分かった。DRの記者がボ
ートで接近したところ、船上に武装した兵士の姿が見られた。英BBCによると、この船は昨年、英スコットランド沿岸でも
目撃されている。
デンマークの情報当局は2月、ロシアの船が過去数カ月間にわたって北海の洋上風力発電所近辺を航行し、エネルギー供
給網を破壊するための準備活動を行っている可能性があるとする異例の警告を発した。4カ国の公共放送は航行記録などを
解析し、過去10年間に不審な行動をとったロシア船50隻を特定している。デンマーク情報当局は、ロシアと西側諸国との
関係が悪化した場合、ロシアがエネルギー供給を寸断し、欧州経済をまひさせようとしている可能性があると見ている。一
方、ロシアは4カ国の公共放送の報道について19日、「根拠がない」とした。
一方、デンマーク政府は18日、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」が22年9月に破壊
された事件について、事件の数日前にデンマークの巡視船が複数のロシア船の写真計112枚を撮影していたことを明らかに
した。独メディアによると、ロシア船はクレーンと小型潜水艦を搭載し、デンマークとスウェーデンのレーダーの捕捉範囲
外で活動していたという。事件についてはデンマーク、スウェーデン、ドイツの3国による調査が続いているが、爆発物の
特性などから、国家レベルの支援を受けたグループが関与しているとみられている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/193b30aecc13f4dbe0787...
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