[寄稿]本当の境界線はイスラエルとパレスチナの間にあるのではない


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001 2023/10/29(日) 07:14:45 ID:uw2UR2zeWY
《スラヴォイ・ジジェク|リュブリャナ大学(スロベニア)、慶煕大学ES教授》

ハマスがイスラエルに犯した野蛮な攻撃は、いかなる場合であっても無条件に非難されなければならない。この前提のもと、私たちが緊急にすべきことは、この攻撃を歴史的な流れで理解することだ。

まず、大多数のパレスチナ人の生活が絶対的な絶望に陥っているという事実を理解しなければならない。かつて頻発したパレスチナ人の自殺攻撃を考えてみよう。普通のパレスチナ人が、自分も死ぬことを知っていながらユダヤ人に近づいて刃物で刺した後、自分も周辺の人たちによって殺される。彼らは何らかの組織をバックに持つわけではなく、「パレスチナ解放」のようなスローガンも叫ばなかった。それは、政治的な計画ではなく、ただ完全な絶望状態から出てきた行為だった。

イスラエルでベンヤミン・ネタニヤフが政権を握り、状況はさらに悪化した。彼はヨルダン川西岸地区のパレスチナ領土の合併を主張する極右政党と連立して新政権を構成し、極右的な人物で内閣を埋めつくした。ネタニヤフ政権のイスラエルは事実上の神権国家だ。この政権の一番の原則は、「ユダヤ民族は、イスラエルの土地のすべての地域に対して、排他的かつ譲渡できない権利を持つ。イスラエル政府は、ガリラヤ、ネゲブ、ゴラン高原、ユダ・サマリアなどイスラエルのすべての地域でイスラエル入植地を促進し発展させる」というものだ。イスラエル政府がパレスチナとの交渉をこのように公式に排除している状況で、交渉を拒否しているといってパレスチナを非難するのは不当なことだ。

ハマスの攻撃は、イスラエルがこれまでネタニヤフ政権の司法府掌握の試みによって深刻な内部対立を抱えていたという事実と関連して読み取らなければならない。この数カ月間、イスラエルはネタニヤフの司法府掌握を支持する側と反対する側の間の衝突によって、深刻な分裂に陥っていた。そうしたなか、ハマスによる攻撃が起きた。分裂は終了し、代わりに国家統合の声が強まった。内部分裂が外部からの共通の敵が出現して突然克服される、おなじみの状況だ。

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010 2023/11/01(水) 20:36:34 ID:pb4QCn5lkQ
発売日 ‏ : ‎ 2021/2/28
ISBN-10 ‏ : ‎ 4594087361
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4594087364

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