https://news.yahoo.co.jp/articles/cdebaf163e563019100b6... 2024年4月、「世界最高齢の結合双生児」として知られた米国のジョージとロリ・シャペルきょうだいが62歳で亡くな
った。彼らが分離手術を望まなかった理由、結合双生児をめぐる医学的・倫理的論争の変遷に米誌が迫る。
知的障がい児の施設に入れられて
ジョージ・シャペルは2007年、トランスジェンダーであることを公表し、医学的・倫理的論争の渦中にいる人々に加わ
った。シャペルにとっては一度通ってきた道だ。
1961年にペンシルベニア州ウェストレディングで生まれた彼は、生まれつき顔の左側と頭蓋骨の一部、脳の一部が双
子のロリと結合していた。両親は医師の助言に従い、2人を知的障がい児施設に入れた。
当時、「先天性異常」の子供たちは、活動家のハリエット・マクブライド・ジョンソンが「障がい者強制収容所」と呼ん
だ施設に預けられるのが一般的だった。施設の目的の一つはそうした子供たちを世話すること、もう一つは世間の目に触
れないようにすることだった。入所者は社会から切り離され、自主性を奪われた。
ジョージとロリは20代を迎えると、ペンシルベニア州知事夫人(義理の息子に障がいがあった)の力を借りて、どうに
か施設を抜け出した。
2人が自立の道を歩む頃、障がい者の権利運動が盛んになり、多くの障がい者たちも自立を目指すようになった。とはい
え彼らの身体は、彼らを受け入れるようには設計されていない世界に、容易には適合しなかった。
2024年4月に62歳で亡くなったジョージとロリは、成人してからの人生をかけて、そのような世界を生き抜くすべを模
索した。しかし、米国社会は彼らのような人々、つまりジェンダーや能力、さらには個性という点において社会の「基準」
に適合しない身体を受け入れるかどうか、いまだに答えを見出せずにいる。
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