感染症の巣アフリカにおけるワクチンの成果は目覚ましく、多くの命を救い、地域全体の公衆衛生に多大な貢献をしてきました。
1. ポリオ(急性灰白髄炎)の根絶
アフリカにおける予防接種の最も顕著な成功例の一つが、野生型ポリオウイルスの根絶です。
成果: 2020年8月、アフリカ大陸全体が野生型ポリオフリーであると認定されました。これは、何十年にもわたる予防接種キャン
ペーンが実を結んだものです。特に、ナイジェリアなどのかつてポリオが蔓延していた国々での取り組みが成功の鍵となりました。
「ポリオプラス」などの国際的なキャンペーンにより、何百万回ものワクチンが子どもたちに投与され奥地の地域にまでワクチン
が届けられました。
2. はしか(麻疹)による死亡率の大幅な減少
はしかはかつてアフリカの子どもたちの主要な死因の一つでしたが、予防接種の普及により状況は大きく改善されました。
成果: 1990年代以降アフリカ地域におけるはしかによる死亡者数は90%以上減少しました。集中的な予防接種キャンペーンと定期
予防接種プログラムの強化がこの成功に貢献しています。
3. 黄熱病のアウトブレイク抑制
黄熱病は蚊が媒介するウイルス性疾患で、致死率が高いですが、効果的なワクチンがあります。
成果: 近年アフリカの一部の国で黄熱病のアウトブレイクが発生しましたが、迅速なワクチン接種キャンペーンが実施されること
で、大規模な流行を抑制することに成功しています。1回のワクチン接種で生涯にわたる免疫が得られるため、予防接種のインパ
クトは大きいです。
マラリアワクチン (RTS,S/AS01): 2021年にWHOが初めてマラリアワクチンを推奨し、ガーナ、ケニア、マラウイなどのアフリカ
諸国でパイロット導入が進められています。マラリアはアフリカの子どもたちの主要な死因であり続けているため、このワクチン
の普及は将来的に大きな成果をもたらすと期待されています。
予防接種は乳幼児死亡率を劇的に低下させる最も費用対効果の高い介入の一つです。
アフリカにおける予防接種の取り組みは、多くの課題(アクセスの困難さ、コールドチェーンの維持、誤情報との闘いなど)に
直面しながらも、国際社会と各国政府の協力によって着実に成果を上げています。
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