中国、報復関税発動へ　米産品に最大１５％

トランプ米政権による対中追加関税を巡り、中国政府は１０日、対抗措置として米国産品の一部に最大１５％の報復関税を発動する。強硬姿勢を示すことで米国との交渉加速を図り、追加関税の早期撤回に持ち込みたい考えだ。

　米金融大手ゴールドマン・サックスの試算によると、中国の報復関税の対象品目は総額１４０億ドル（約２兆円）と、米国側の５２５０億ドルの約３％にすぎない。第１次トランプ政権に対しては当初、米国側と同規模の報復関税を課しており、今回は総じて「抑制的」（専門家）とみられている。

　背景にあるのは、不動産不況に伴う中国経済の長期低迷だ。貿易戦争に発展した場合、経済へのさらなる打撃は必至。共産党関係者は「今の最優先課題は景気の早期回復だ」と打ち明ける。北京駐在の欧米メディア幹部は「景気を冷え込ませ、ひいては党の統治を危うくしかねない米国との全面対決には、党内で慎重論が強いようだ」との見方を示した。
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