長引く戦争と経済制裁の影響でロシア国民の生活はイラン国民のように深刻になっていくのか?
長引く戦争と経済制裁により、ロシア経済は「大砲(軍事)」を「バター(市民生活)」よりも優先する構造に深く移行しており、
イランが直面してきたような深刻な経済的制約や孤立化に近い兆候が現れ始めています。
2025年から2026年にかけてのロシア経済は、軍事支出に支えられた短期的な成長が限界に達し、実質的なゼロ成長や停滞の局面に入ると予測されています。
ロシア国民の生活に迫る深刻な影響
ロシア経済は、軍需産業の拡大により一時は高い成長率(2024年は3.6〜4.1%)を示しましたが、その裏で市民生活を圧迫する構造的な歪みが顕著になっています。
「大砲かバターか」の選択
2025年の連邦予算では、国防費に約15.5兆ルーブル(約1,600億ドル)が割り当てられ、これはGDPの7.2%、連邦支出の37%に達します。
この軍事優先の代償として、年金・社会保険基金への拠出が1.4兆ルーブル削減されるなど、市民向けの社会サービスが後回しにされています。
高インフレの定着
2025年11月時点の年次インフレ率は6.6%〜7.7%程度ですが、食品(9.3%)やサービス(10.4%)の上昇率は依然として高く、賃金上昇の恩恵を打ち消しています。
労働力不足と供給能力の限界
失業率は3%以下と過去最低水準ですが、これは約250万人の労働力不足(特に製造・建設業)を意味します。
需要に対して供給が追いつかない「経済のオーバーヒート」状態にあり、さらなるインフレを招いています。
金利負担の増大
インフレ抑制のため、ロシア中央銀行は政策金利を一時21%まで引き上げました。
これにより、一般家庭や軍需以外の民間企業の借入コストが激増しています。
イランとの類似点
ロシアが「第2のイラン」のように深刻化していくプロセスには、いくつかの類似点があります。
制裁逃れと決済の困難
イランと同様に、ロシアも中国やインドなどへのエネルギー輸出で経済を維持していますが、2025年初頭には米国の制裁強化により影の艦隊(制裁逃れ用の船舶)が標的となり、輸出コストが増大しています。
通貨と金融の孤立
金融システムにおけるドルやユーロの不足から、ロシアは中国との間でイランのような「バーター取引(物々交換)」に基づいた経済交流を余儀なくされる可能性が指摘されています。
財政の悪化
ロシアの2025年の財政赤字は5.6兆ルーブル(GDP比2.6%)に達し、2020年以来の高水準となる見通しです。
今後の展望(2025-2026年)
ロシア経済は短期的には軍事支出で持ちこたえる「剛性(硬直的な強さ)」を持っていますが、長期的には衰退の兆しが強まっています。
返信する