ネパールのようにUSAID(米国際開発局)の廃止が関係していないのか。
大いに関係しています。 2025年春にトランプ米政権が米国国際開発庁(USAID)を事実上廃止・資金凍結した措置は、ネパールだけでなく、フィジーを含むアジア太平洋地域全体のHIV予防・治療プログラムに決定的な大打撃を与えています。
アジア太平洋地域からの「支援引き揚げ」のタイミングと一致
フィジーでは以前から薬物(メタンフェタミン)の流入が問題視されていましたが、
国連合同エイズ計画(UNAIDS)などの専門家は、「米国が資金を凍結し、この地域から手を引いた最悪のタイミングで感染爆発(アウトブレイク)が起きた」と指摘しています。
まさにネパールでHIV予防ネットワークが崩壊したのと同時期に、フィジーでもセーフティネットが失われました。
ハームリダクション(被害低減)への資金が途絶えた
フィジーの感染急増の主因は「注射器の使い回し」です。
これに対し、NGOや国際機関は「使い捨ての清潔な注射針を配る」「予防薬(PrEP)を配布する」といったハームリダクション(被害低減)対策を進めていましたが、これらの活動資金の多くをUSAIDなどの海外援助に依存していました。
米国の資金が完全にストップしたことで、最も重要だった「感染経路を遮断する草の根の活動」が機能不全に陥りました。
フィジーやネパールで起きていることは氷山の一角に過ぎません。特に被害が懸念されているのは、世界のHIV感染者の過半数が集中するサブサハラ(サハラ砂漠以南)アフリカの貧困国です。
政府の財政負担が限界に達し「非常事態」へ
ネパールではUSAIDの廃止によって多くのNGOやクリニックが閉鎖に追い込まれましたが、フィジーでも同様に、地域で無料検査や治療薬(抗レトロウイルス薬)を配る医療インフラが維持できなくなりました。
フィジーのような小さな島国(人口約93万人)の脆弱な医療体制では、この穴埋めを自国財政だけで賄うことができず、医療崩壊を防ぐために「国家非常事態を宣言して他国や国連に緊急支援を求める」しか選択肢がなくなったのが今回の真相です。
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