>「コロナをそんな恐れてはいけない」「笑いで免疫力を上げよう」
●よくある誤解:笑うと免疫力が高まる
いつも笑顔で過ごしたいと誰もが思います。
笑いがある生活はきっと幸せでしょう。
しかし、免疫力にはあまり関係ありません。
家族や友達にお笑いが好きな人がもしいれば、
その人が一度も風邪を引いたことがないかどうか、
思い出してみてください。
免疫力のためではなく、幸せのために笑ってください。
●笑うと免疫力が高まるのは医学的に証明されているのでは?
医学研究の中では、1990年代にはすでに「笑うことで免疫に良い影響があるのではないか」
という観点のものが現れています。
しかし、「患者を笑わせて病気を治す」という治療法は生まれていません。
そんなことができるなら医師が真っ先に試します。
笑うとナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化されるなどと唱えた人もいますが、
試験管の中で細胞の動きが変わることと、人間が病気になるかならないかは別です。
そもそもNK細胞は免疫の働きの中心ではありません。
免疫を担当しているのは「白血球」です。
血液の中にある白血球のうち90%以上が「好中球」と「リンパ球」です。
リンパ球の大部分は「T細胞」と「B細胞」に分けられます。
B細胞は異物を感知すると抗体を作るように変化します。
上記の説明に出てこない細胞や物質の名前は、免疫力にとっては取るに足らない
些細な存在だと思っていいでしょう。
「NK細胞」も、取るに足らない影響しかない“その他大勢”のひとつに過ぎません。
●よくある誤解:免疫力を高める方法がある
元気になる方法はいろいろありますが、どれも免疫力を高めるための方法
とは言えません。
唯一の例外はワクチンです。
ワクチンで、特定の病原体に対して免疫をつけることができます。
しかし、「免疫力」という言葉から想像されるような、
「あらゆる病気に抵抗できる」という効果ではありません。
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