3月下旬、日本の与党関係者のもとに、一通のeメールが届いた。送り主は、テドロス・アダノム。新型コロナウイルス問題の発生により、不眠不休で働いている世界保健機関(WHO)の事務局長だった。
テドロス氏のメールは不安と不満が入り交じった内容だった。「日本ではWHOや私への批判が高まっているそうだ。なかには、私の辞任を求める声まであるというが、どうしたらよいだろうか」
このメールを受け取った与党関係者は、日本では中国に反発する一部世論がテドロス氏への批判と結びついている状況を説明し、こう伝えた。「余計なことは言わず、いつか、安倍晋三首相の政策を称賛してはどうか。中国とも、あまり騒ぎ立てず、徐々に距離を置けば良い」
テドロス氏はよほど焦っていたのだろう。与党関係者は「いつか」と伝えたのに、このメールから数日経った3月30日、テドロス氏は安倍首相と電話会談を行った。外務省の説明によれば、テドロス氏は「安倍総理のリーダーシップによって、日本の政府が一体となって新型コロナウイルス対策を効果的に進めている」と語り、安倍首相を褒め称えた。
中略
日米関係筋によれば、米国から見た場合、WHOや中国を批判する米国の働きかけに対し、最も積極的な反応を示しているのが英国や豪州、次いでフランスといったところで、日本はやや中立的、そして韓国は慎重な姿勢を示しているという。同筋は「日本は、WHO改革の必要性について共感してくれているが、激しいWHO批判は避けている」と語る。
事実、16日のG7首脳テレビ会議についても、日本外務省は「新型コロナウイルス感染症への対応に、国際社会が一丸となった取組みが求められる中、今回の会議を通じ、G7としての一致した姿勢を示すことができました」と説明する一方、ホワイトハウスが発表した「WHO改革で一致」という内容には触れていない。
逆にテドロス氏は3月13日の記者会見で、日本がウイルス対策で新たに1億5500万ドル(約170億円)を拠出したと明らかにし、このときも安倍首相を称賛している。
日本はこれからどう対応していくのか。
米共和党議員団は16日、米国がWHOに任意拠出金を支払う条件としてテドロス氏の辞任を挙げるなど、米国のWHO叩きは過熱している。それでも日米関係筋は「2022年6月末で任期が切れるテドロス氏の次の事務局長が、特定の国の影響を受けないような仕組みを作っていくということだろう」と述べ、やみくもに混乱を拡大すべきではないとの考えを示した。
日本政府関係者の1人も「WHOがコロナ問題でどのような対応をしてきたのか検証し、情報公開を進めることは悪いことではない」と語る一方で、日本とWHOの良好な関係を壊すべきではないとの考えを示した。
以下ソース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200421-00033919-fo...
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