ウクライナに侵攻したロシア軍の死傷者や捕虜などの人的損失は3万~4万人に達するとの推計を北大西洋条約機構(NATO)軍当局者が23日、明らかにした。米CNNなどが伝えた。露軍の侵攻開始から24日で1カ月。ウクライナ軍の激しい抵抗を前に露軍の被害は増大している。都市部への遠距離攻撃が増え、民間人の被害が拡大している。
CNNなどによると、NATO軍当局者は公開情報やウクライナ軍の発表などから侵攻1カ月間のロシア軍の死者を7000~1万5000人と推計。負傷者や捕虜などを含めた人的損失はその数倍に上るとの見方を示した。
AP通信はアフガニスタン侵攻による旧ソ連軍の死者が「10年間で約1万5000人だった」ことに言及し、露軍の損害がそれを大幅に上回るペースであることを指摘している。
各地の前線で膠着(こうちゃく)状態が続く中、ウクライナ軍が反撃に出ている首都キエフ近郊では23日も激しい戦闘が続いた。
CNNによると、キエフ北西のイルピンの市長は、市内の約8割をウクライナ軍が支配下に収めたと明かした。地元メディアは周辺の露軍部隊をウクライナ軍が包囲しようとしているとの地元当局者の見方も報道した。
米国防総省高官は23日、記者団に対し、キエフに東側から接近していた露軍部隊がウクライナ軍の反撃を受けて数十キロ後退したと明らかにした。22日時点ではキエフ中心部まで20~30キロの位置に迫ったが、現在は北東55キロの地点に移動したという。一方で別のロシア軍部隊はキエフ中心部から北西15~20キロの位置にとどまっている。ただ、この部隊もざんごうを掘るなど防御的な構えを見せているといい、中心部へ「前進しようとしていない」と分析した。
地元メディアによると、露軍の激しい攻撃が続く北東部ハリコフの市長は、これまでに砲撃などで住宅約1000棟が被害を受けたことを明らかにした。1日に露軍のミサイル攻撃があった市中心部のハリコフ州庁舎では24人の遺体が見つかったという。
露軍の包囲により人道危機が続く南東部マリウポリについては、ウクライナのベレシチューク副首相が23日、ポーランドメディアの取材に「プーチン大統領の命令の下、露軍によってほぼ完全に破壊された」との認識を示し、「水、暖房、通信、食事、全てがない。1日に3000人から4000人が徒歩で避難を試みているが、10~20キロを歩かなければならない」と、住民への支援を改めて呼びかけた。
マリウポリにはまだ約10万人の住民が取り残されているとみられる。防衛に当たるウクライナの部隊は「10分に1度」のペースで砲撃されていると訴えており、市内の民間人の死者は約3000人に達するとの見方も…以下ソース
https://mainichi.jp/articles/20220324/k00/00m/030/...
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