ロシア軍、ヘルソン市撤退の意味深

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は9日、軍に対し、ウクライナ南部ヘルソン市から撤退するよう命じた。ウクライナの反転攻勢を受けるロシアにとって大きな打撃となる。

ロシアのテレビ局は、ショイグ氏がウクライナでの特別軍事作戦を指揮するセルゲイ・スロビキン総司令官と開いた協議の様子を放送。スロビキン氏が、ヘルソン市から撤退しドニエプル川左岸（東岸）に防衛線を構築するという「難しい決断」を提案すると、ショイグ氏は「部隊の撤退を開始せよ」と述べた。

だがウクライナ側は、ロシアの発表について懐疑的な見方を示している。ミハイロ・ポドリャク大統領府顧問はツイッターに「ロシアが戦わずにヘルソンから撤退する兆候はない」と投稿。ショイグ氏の命令を「演出されたテレビ声明」と呼び、ロシアの発表が策略である可能性を示唆した。

ヘルソン市は、ロシア軍が2月24日に開始したウクライナ侵攻で初めて占領した主要都市で、現在も同軍の支配下にある唯一の州都となっている。ウクライナ軍はここ数週間、同市に向け進軍し、黒海沿いの集落を次々と奪還。一方で、ロシアが任命したヘルソン州当局の指導部は、現地から民間人を退避させている。

ウクライナ軍がヘルソン州を奪還すれば、ロシアが2014年に併合したクリミア半島とロシア本土との間の陸路を断ち切るとともに、アゾフ海への重要な通路を確保でき、ロシア側から大きな戦果を奪うことになる。

https://www.afpbb.com/articles/-/3433074?cx_part=top...

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