ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が、トマトを加えたカルボナーラ、「スモーキー・トマト・カルボナーラ」のレシピを
オンライン上で紹介したところ、カルボナーラとは呼べないと、イタリア人から抗議のコメントが殺到している。これまで
も外国人による伝統のレシピの改ざんに耐えてきた彼らだが、原型を留めない今回のアレンジ・レシピには、怒りを抑えき
れなかったようだ。
トマト投入はあり得ない!本物のカルボナーラの材料は4つ
カルボナーラは、イタリアではスパゲティ、卵、グアンチャーレという豚の塩漬け肉、ペコリーノ・ロマーノというチーズ
を材料にして作られる。ベーコンや生クリームを使うものは外国人向けにアレンジされたもので、ソーシャルメディアには
正しい味を伝えようと、伝統的なレシピが多数投稿されている。
しかしNYTの「スモーキー・トマト・カルボナーラ」のレシピには、トマトが加えられカルボナーラとは全く違う見た目と
なっていた。
代替材料を使われるだけでも不満だったイタリア人たちは、この投稿に速攻で反応。トマト入りのカルボナーラなどあり得
ないと大騒ぎになっている。実はこのレシピ自体は2021年にすでにNYTが紹介しており、当時もイタリア人の怒りを買っ
ていた。今回ツイッターに再投稿されたことで、くすぶっていた怒りに火が付いた形だ。
伝統を愛するイタリア人から怒りのツイートが続出
ツイッター上には、「全然違うレシピですっ!」「カルボナーラにトマトの入る余地はなし!」「NYTにイタリア料理を語
らせてはならない」「イエス様も泣いている…」などのコメントが並んだ。
敬意と侮辱は紙一重 イタリア人が怒る理由とは
ニュース・サイト「ザ・ローカル」によれば、イタリア人の中にはトマト投入を「宣戦布告」と見る人もおり、ローマの地
元紙「レパブリカ」は、このレシピは「挑発」だと述べている。イタリアの主要テレビチャンネル「Rai1」の番組では、
この件についての討論会が開かれ、正しいレシピのデモンストレーションも行ってNYTを非難した。
イタリア農業協会の幹部は、NYTのレシピは「権威あるレシピの憂慮すべき模造品」だと主張し、カルボナーラは最も歪め
られたイタリア料理のレシピの一つだと話していた。グローバル化の時代にアレンジ・レシピは仕方がないが、オリジナル
の精神には敬意が払われるべきだとイタリア人フード・ジャーナリストは説明。超えてはいけない一線があり、問題は「伝
統vsイノベーション」ではなく、「伝統vs裏切り」だと指摘した。
トマト入りカルボナーラはまさにこの一線を越えてしまったため、イタリアでは侮辱と理解されたようだ。行き過ぎには
要注意だと、イタリア人シェフたちも海外の同業者に警告している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b44954b19823fd760ef7...
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