スペインの科学者らがこのほど、青銅器時代の欧州に住んでいた人々について、向精神薬を使用していたことを示す直接的 
 な証拠を発見した。太古の儀式の一部に使われていた可能性がある。    
 植物に由来し、知覚に影響を与え、譫妄(せんもう)や多幸感を引き起こすことで知られるアルカロイドの痕跡が、およそ 
 3000年前に遡(さかのぼ)る人間の毛髪の房に残存していた。研究者らはこの毛髪を他の葬儀用の遺物と共に、埋葬 
 に使用される洞窟の中で発見した。洞窟はスペインの東の沖合、地中海に浮かぶバレアレス諸島に属するメノルカ島にある。    
 化学分析の結果、毛髪からは興奮剤のエフェドリンの他、アトロピンとスコポラミンも検出された。アトロピンとスコポラ 
 ミンはどちらも精神活性化合物で、見当識障害、感覚の乱れ、鮮明な幻覚を引き起こす。研究者らの報告は6日発行のサイ 
 エンティフィック・リポーツ誌に掲載された。    
 人類の間で薬物の使用は、数千年の歴史を持つ慣行として知られる。それはこれまでユーラシア大陸や南北米大陸で見つか 
 った手掛かりに基づいていた。しかし欧州では、精神に作用する植物が先史時代の遺跡に存在していても、考古学者らに提 
 示される実態は不完全なものだった。そこには太古の共同体に暮らす人々がそうした植物を摂取していた証拠が欠如してい 
 たと、論文の筆頭著者でスペイン・バジャドリード大学の先史学准教授を務めるエリサ・ゲラドーセ氏は説明する。    
 同氏はCNNの取材に答え、今回の新たな発見を通じ、欧州の先史時代における薬物使用のもっとも古い証拠が示されたと 
 述べた。    
 当該の洞窟が見つかったのは1995年。入り口は崖の上から約25メートルの地点にある。内部は七つの部屋に分かれて 
 おり、紀元前1400年から同800年まで葬儀の場だった。200人を超える成人と子どもが男女共に埋葬された。  
 続く  
https://news.yahoo.co.jp/articles/cabd75dca642ae3abef3c... 
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