https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/fb66fb0533dd88... 南アフリカで11月28日、ジェイコブ・ズマ前大統領の娘であるドゥドゥジレ・ズマ・サンブドラ氏が議員を辞職した。
同氏をめぐっては、高額の報酬を約束して南アフリカ人をロシアに送り込み、ウクライナ侵攻に参加させた容疑で警
察が捜査を開始したばかりだ。
南アフリカ政府は11月初旬、騙されてウクライナの激戦地に送り込まれた17人の南アフリカ人から救助要請があった
と発表した。
ロシアが多くのアフリカ人を戦争に駆り立てているという報告はこれまでも珍しくなかったが、その調査の本格化は
アフリカでロシアの悪評が広がる様子を示す。
ウクライナ政府は拘束しているロシア軍兵士にアフリカ各国を含む21カ国以上の外国人が含まれると明らかにしてい
る。
そのなかには各国で騙されて徴募された者だけでなく、ロシア留学中に半ば強制的に戦線に送られた学生も含まれる
とみられる。
米PBCはこうしたアフリカ人が1400人以上にのぼり、外国人ほど激戦地に送られやすいと報じている。
さらに英BBCの調査報道によると、アフリカ各地の貧困女性がやはり高額の報酬で騙され、ロシアのドローン工場で働
かされていて、その数は1000人以上といわれる。
こうした問題はかねて指摘されていたが、各国政府のロシア批判は稀だった。
アフリカ各国の対ロ関係重視は、欧米の強すぎる影響力にバランスをとる意味がある。アフリカ大陸54の国連加盟国
のうち約半数は、2022年3月の国連総会におけるロシア非難決議に賛成しなかった。
これに照らすと、南アフリカでロシアの「人員調達」に関する調査が本格化することは、これがもはや覆い隠せない
ことを示唆する。
アフリカを代表する新興国である南アフリカの動向は、同国が新興国グループBRICSの一国でもあるだけに、アフリ
カ各国だけでなくロシアも注視せざるを得ないものといえる。
返信する