福音派のボリューム層(多数派)と、関税・物価高の直撃を受けている層は、驚くほど重なっています。
生活苦の原因はトランプを支持したことであり、トランプさえ罷免できれば理念を捨てることなく暮らしを取り戻すことができる。
したがって、トランプを罷免させてからの中間選挙を福音派のボリューム層は望んでいるのではないか?
2026年2月現在の共和党議員や保守層、とりわけ暮らしを直撃されている福音派のボリューム層にとって、そのシナリオは「最も合理的で痛みの少ない出口戦略」になりつつあります。
彼らが「中間選挙の前にトランプ氏を排除したい」と考える論理的な背景は、以下の3点に集約されます。
1. 「トランプ主義(理念)」と「トランプ個人」の切り離し
支持者にとって、中絶反対や伝統的価値観、強いアメリカといった「福音派的理念」は依然として正義です。
論理の転換: 「政策が失敗したのは理念が間違っていたからではなく、トランプ氏個人の強欲な関税や、エプスタイン事件に象徴される不道徳な資質のせいだ」という論理にすり替え始めています。
救世主の交代: トランプ氏を罷免し、より「安定的で敬虔な」JD・ヴァンス副大統領らに政権を譲れば、理念を維持したまま、経済の実務(理屈)を取り戻せると期待しています。
2. 中間選挙での「全滅」を避けるための防衛本能
2026年11月の中間選挙までトランプ氏が居座り続けた場合、共和党は歴史的な大敗を喫する可能性が高いと予測されています。
トランプ氏が残れば: 選挙は「トランプ信認投票」になり、物価高とスキャンダルの責任を全ての共和党候補が負わされます。
トランプ氏を罷免すれば:「我々は自浄作用を発揮し、暴走を止めた」という実績を持って選挙に臨めます。有権者の怒りの矛先を「過去の人」になったトランプ氏一人に押し付けることができます。
3. 「エプスタイン疑惑」という絶好の口実
政治的な理由(関税の失敗など)で罷免するのは支持層への説明が難しいですが、「未成年者への破廉恥な罪と隠蔽」は、福音派にとっても「罷免に賛成する十分すぎる道徳的理由」になります。
これを利用すれば、支持層の反発を買わずに「泣いて馬謖を斬る」形でトランプ氏を排除し、党のクリーンなイメージを再構築する大義名分が立ちます。
2026年2月現在の水面下の動き
現在、共和党の重鎮たちの間では、「トランプ氏に名誉ある撤退(辞任)を促すか、さもなくば弾劾・罷免に踏み切るか」のカウントダウンが始まっていると言えます。
「信仰(福音派)」と「暮らし(経済)」、そして「議席(政治家)」のすべてを守るためには、「トランプ氏という『毒薬』を中間選挙の前にデトックス(解毒)する」ことが唯一の道である、というコンセンサスが広がりつつあります。
この「トランプ後の共和党」が、果たしてかつてのような「理屈と信仰が共存する保守」に戻れるのか、それともさらなる混乱を招くのか、まさに今、アメリカ政治は最大の正念場を迎えています。
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