・・・非常に大きい被害が出ている。それでもこの地震は、このような災害で被害をなるべく少なく抑えようとする日本の、見事な成功物語でもある。
日本では地震の規模を、マグニチュードだけではなく、「震度」でも表す。地面がどれだけ揺れたかを、震度1から震度7にわけて示すのだ。そして1日の能登半島地震は、最大値の震度7だった。
日本の地震対策の勝利は、1923年の関東大震災と今回の地震による被害を比較すればはっきりする。
100年前の震災では、東京の広範囲で多くの建物が崩壊した。欧州式のれんが造りの建物は、ひとたまりもなかった。
この経験を機に日本では市街地建築物法が改正され、初の耐震規定が盛り込まれた。これによって日本では、新築の建物は鉄筋とコンクリートで補強することや、木造建築は柱を太く強化することが義務付けられた。
日本では、強い地震が起きるたびに、被害状況の調査をもとに、耐震基準が強化されてきた。特に飛躍的な改善となったのは、1981年施行の「新耐震設計基準」だ。
この「新耐震」によって、日本では「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」という耐震基準が義務付けられている。
その後1995年に阪神・淡路大震災があり、日本はさらに多くの教訓を得た。
やがて、2011年3月11日にマグニチュード9.0の巨大地震が発生した。東京の震度は5だった。関東大震災と同程度の揺れの強さだった。
1923年の地震では、東京はぺしゃんこになった。14万人が死亡した。2011年の地震では、東京の巨大な高層ビルは激しく揺れ、窓は粉々に割れた。それでも東京で高層ビルが崩れることはなかった。2011年の地震であれほど多くの犠牲者が出たのは、地面の揺れにも増して、それが引き起こした津波によるところが大きかった。
これほどの地震を経験しながら、もっとひどい被害が出ない国は、地球上では日本以外、考えにくい。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis...
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