>>7 マントル深部で炭化水素が生成されるという「無機成因論」は、かつて旧ソ連の科学者などを中心に
提唱されましたが、商業規模で見つかる石油・天然ガスのほとんどは生物由来(有機成因論)である
ことが科学的に証明されています。
石油の中には、古代の藻類やプランクトンなどの生物を構成していた葉緑素(クロロフィル)やステ
ロールに由来する分子(化学化石)が明確に含まれています。
生物由来の物質特有の光学的性質(偏光特性)を石油が持っていることも生物起源の動かぬ証拠です。
世界の油田・ガス田は、かつて海や湖で生物の死骸が大量に堆積した「堆積岩(泥岩など)」の分布
と完全に一致しています。
「人間が何もしなくても自然に燃やされる」という点については、規模やスピードの桁が大きく異な
ります。
確かに地殻の割れ目から石油やガスが地表に浸出し、自然発火する現象(例:アゼルバイジャンの
「ヤナル・ダグ」など)は世界各地に存在します。しかし、自然に漏出して燃える量に比べ、人類が
採掘してエネルギーとして燃焼させている量は数十万倍〜数百万倍の規模です。地質時代に何千万年
もかけて地下に溜まった炭素を、人類はわずか数百年のスパンで大気中に放出しています。
「二酸化炭素が海に溶け、プレートと共にマントルへ戻り、再び循環する」というシナリオは、科学
では「長期炭素循環(Long-term carbon cycle)」として実際に知られている仕組みです。
ただし、これを現在の環境問題における「カーボンニュートラル」と同列に扱うには、時間軸が数億
年単位でズレています。
プレートテクトニクスによるマントルへの炭素の回収と再放出には、数千万年から数億年の時間かか
ります。
人類が直面しているのは、数十年〜数百年単位の急激な大気中CO2濃度の急上昇と、それに伴う地球
温暖化・海洋酸化です。億年単位で地球がバランスを取るとしても人類の文明や現在の生態系が維持
される時間軸(100年単位)とは整合しません。
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